チャイルドシートをつける場所は、後部座席が基本です。左右どちらにも正しく取り付けられるなら、乗せ降ろしを考えて歩道側となる左側が候補になります。JAFも乳児用チャイルドシートについて、後部座席への取り付けと、歩道側での乗せ降ろしを案内しています。
ただし、左側ならどんな車・製品でも使えるわけではありません。車の座席ごとの対応と、チャイルドシートの適合条件を合わせて選びましょう。
「運転席の後ろのほうが安全?」「赤ちゃんの顔が見える助手席はだめ?」と迷いやすいところですよね。位置を決めるときは、まず取り付け可能な後部座席を絞り、その中で乗せ降ろしを考えると整理しやすくなります。
中央席や3列目、きょうだいで2台使う場合は、固定できるかに加えて、ほかの乗員のシートベルトが使えるかまで見ていきます。
- 後部座席を基本にした取り付け場所の選び方
- 助手席のエアバッグと中央席の適合条件
- 固定方式・使用する向きによる確認項目
- 2台設置と購入前後のチェックポイント
チャイルドシートをつける場所は後部座席が基本
助手席の後ろと運転席の後ろは、乗せ降ろしと適合で選ぶ

一般的な右ハンドル車で、助手席の後ろにあたる後部左席は、歩道側から乗せ降ろししやすい位置です。JAFが左側をすすめる理由も、より安全に乗せ降ろしするためです。この説明を「どんな事故でも左側が最も安全」という意味に広げず、乗せ降ろしの面で選ぶ理由として捉えるとよいでしょう。
運転席の後ろも取り付け候補です。コンビは4〜5人乗りの軽自動車やセダンについて、運転席側か助手席側の後部座席に取り付けるよう案内しています。左側への設置を優先したくても、使う製品がその座席に適合しなければ選べません。
左右の安全順位だけを探すより、取り付け可能な位置を先に知るほうが、自分の車での判断につながります。
| 場所 | 選ぶときの考え方 | 注意する条件 |
|---|---|---|
| 後部左席 | 歩道側での乗せ降ろしを考えた候補 | 車と製品がその座席への取り付けに対応していること |
| 後部右席 | 軽自動車・セダンでも候補になる位置 | 左側と同様に、座席ごとの適合が必要 |
| 後部中央席 | 使用できる場合もあるが、個別の判断が必要 | 座席形状、ベルト構造、固定方式、隣席への影響 |
| 助手席 | 基本の設置場所には選ばない | エアバッグの危険と、車・製品の禁止事項 |
助手席はエアバッグが危険。後ろ向きでは設置しない
赤ちゃんが近くに見えると安心できそうですが、助手席にはエアバッグが開く際の危険があります。国土交通省のFAQは、助手席での使用はエアバッグによって子どもに衝撃が加わり大変危険として、後部座席で使うよう案内しています。また、製品に付いている使用上の注意事項に従うことも明記しています。
特に、助手席SRSエアバッグ装着車で乳児用・幼児用シートを後ろ向きに設置することは、三菱自動車の公式FAQでも禁止されています。エアバッグとの距離が近く、膨らむ力で強く突き飛ばされ、命に関わる重大な衝撃を受けるおそれがあるためです。
赤ちゃんの様子が見やすいことを理由に、助手席へ移す判断はしないでください。
一方、三菱自動車の同FAQには、やむを得ず助手席へ幼児用シートなどを設置する場合、助手席を一番後ろにして前向きに装着する案内もあります。ただし、これはどの製品にも使える許可ではありません。日本育児の適合案内は助手席を使用しないよう明記しています。
車側に例外の説明があっても、製品側の禁止はなくなりません。
両方の説明書で条件を満たせない場合は、助手席を候補にせず、適合する後部座席で配置を考え直しましょう。
後部座席の中央は、固定方法と隣席のベルトまで確認する


後部座席の中央は、一律に取り付け可能とも、不可能ともいえません。JAFは、中央席では車両のシート形状やシートベルト構造によって、正しく取り付けられない場合があると注意しています。「中央なら左右のドアから離れているから」と位置だけで決めず、その座席で製品を正しく固定できるかを優先しましょう。
座席による違いの例として、Honda「VEZEL e:HEV 2025」の取扱説明書では、ISOFIX/i-Sizeチャイルドシートの設置場所を後席の外側2座席としています。一方、座席別の表には中央席でもベルト固定の汎用チャイルドシートが搭載可能な区分があります。
ただし中央席はサポートレッグ付きの取り付け対象から除かれています。同じ中央席でも、固定方式や製品の構造によって判断が変わる例です。
同車の説明書には、後席中央へチャイルドシートを取り付けると、左側席のシートベルトが使えなくなるという注意もあります。中央に収まることだけで、左右に家族が座れるとは限りません。
この条件はVEZEL e:HEV 2025のもので、ほかの車にそのまま当てはめるものではありませんが、適合表の「有」だけでなく脚注まで読む必要があることがわかります。
軽自動車・セダンは後席左右、3列シート車はまず2列目
コンビの案内では、4〜5人乗りの軽自動車・セダンは後部座席の左右、6〜8人乗りのワゴンタイプは2列目の左右を優先します。ワゴンタイプで2列目への取り付けが難しい場合は、3列目の左右が次の候補です。三菱自動車の公式FAQも、3列シート車では基本的に2列目へ取り付けるよう案内しています。
ただし、3列目があることと、使いたいチャイルドシートを3列目に固定できることは別々に確かめる必要があります。ISOFIXタイプなら、その席に対応する固定金具が必要です。シートベルト固定タイプも、座席形状やベルトの条件によって取り付けできない場合があります。
家族の座る場所を決める前に、2列目・3列目それぞれの対応を調べておくと、配置を組み立てやすくなります。
車種名が同じでも油断はできません。アップリカは、車種・型式・年式が同じでも、グレードなどによって座席が異なり、すべてを確認できていない場合があると説明しています。「同じ名前の車で使っている人がいる」という情報は参考にとどめ、自分の車の年式・型式・定員や装備に対応する結果で判断することが大切です。
チャイルドシートをつける場所を決める適合条件と2台の配置
ISOFIXとシートベルト固定では、座席の対応を別々に調べる
ISOFIXは専用の金具を使って座席へ固定する方式です。車がISOFIXに対応していても、車内のすべての座席で使えるとは限りません。車の説明書で金具の位置を確かめ、使う製品の適合表と照合します。
さらに、製品によってトップテザーやサポートレッグなどの支持方法も関わるため、下部の金具が見つかった時点で確認を終えないことが大切です。
シートベルト固定は、車のシートベルトを製品に通して固定する方式です。こちらもベルトがあれば取り付けられるわけではありません。アップリカの案内では、2点式シートベルトの座席は使用不可とされ、3点式でもベルトが極端に短く本体を固定できない座席などは対象外です。
バックルが長すぎる、土台がバックルを踏んでしまうといった座席側の条件も、取り付け可否に関わります。
| 固定方式 | 場所を決めるために見るもの | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| ISOFIX | 対応する座席、固定金具の位置、製品の適合表 | トップテザーやサポートレッグなど、製品に必要な支持条件 |
| シートベルト固定 | 対応するベルトの種類、長さ、バックル位置、製品の適合表 | 3点式でも形状や長さによって固定できない場合がある |
新生児は後ろ向きが基本。前向きへの変更は製品の条件で決める


新生児用チャイルドシートは、進行方向に対して後ろ向きで使うのが基本です。コンビは、後ろ向きでは背中の広い面で事故の衝撃を分散できると説明しています。「後部座席につける」は車内の場所、「後ろ向きに使う」は赤ちゃんの向きの話です。後部座席を選んだうえで、製品が指定する向きと使用条件を守ります。
前向きに変える時期を、車内を広く使いたい、顔を見やすくしたいといった都合で早めることはできません。コンビは、安全基準によって後ろ向きの使用条件が異なり、詳しい年齢・身長・体重の条件は各製品の取扱説明書で確認するよう案内しています。月齢だけで判断せず、使っている製品の前向き使用条件を一緒に見ましょう。
後ろ向きで使うときは、前席との関係にも車ごとの指定があります。たとえばVEZEL e:HEV 2025は、助手席の真後ろへの設置を推奨し、その場合は助手席に人を乗せず、助手席をできるだけ前へ出すよう案内しています。さらにチャイルドシートと前席が接触していないことも条件です。
これは同車の指定ですが、場所選びには前席の使い方まで関わることがあります。説明書に指定がある場合は、家族の着席位置も含めて考えましょう。
きょうだいで2台使うときは、後席左右の適合と大人の席を確認する
2台使う場合は、まず後部座席の左右それぞれが、使うチャイルドシートに適合するか調べるところから始めましょう。これは配置を検討する順序であり、どの車でも左右に2台置けるという保証ではありません。
片方が乳児用の後ろ向き、もう片方が前向きなど、使用条件が違う場合もあるため、2台をひとまとめにせず、製品ごとに座席と向きの対応を照合します。
大人が間に座る予定なら、空間だけでなくシートベルトが正しく使えるかが重要です。VEZEL e:HEV 2025の説明書では、後席左側にチャイルドシートを取り付けると中央席のベルトが使用できなくなり、右側への取り付けでも中央席のベルトが使えなくなる可能性があるとされています。
見た目に座れる幅が残っていても、中央を大人の席として使えるとは限らないのです。
3列シート車なら、2列目を優先しつつ、難しい場合に適合する3列目も検討できます。ただし、一般的な配置案だけで取り付け可否は決まりません。必要な金具、座席やベルトの形状、ほかの乗員への影響まで見て、条件が不明な組み合わせはメーカーへ問い合わせましょう。
アップリカも、車への取り付けに不安がある場合はサポートセンターへの連絡を案内しています。
購入前は車種別適合表、取り付け後は固定状態を確かめる


購入前にそろえたい情報は、車の年式・型式・定員などと、検討するチャイルドシートの正確な製品名です。アップリカは、年式や型式を車検証で確認する方法を案内しています。メーカーの車種別適合表で候補の座席を調べ、注記を読み、車とチャイルドシートの両方の説明書につなげると、確認すべき点が具体的になります。
適合表で見つからない場合は、「たぶん取り付けられる」と判断しないでください。たとえば日本育児は、適合表で未調査の車は取り付けできない可能性があるため、取り付け・使用しないよう案内しています。未掲載や未調査の扱いもメーカーの注意事項に従いましょう。
自家用車からレンタカーなどに載せ替えるときも、以前の車で使えたことを、そのまま新しい車の適合判断にはできません。
取り付け後は、場所が合っていても固定が不十分でないかを確かめます。JAFはISOFIXについて、左右両方のコネクターがしっかり取り付けられているかを点検するよう案内しています。片方だけでは固定されず危険です。取り付け完了の見方や操作は、使う製品の説明書に沿って進めましょう。
ぐらつきがある場合、国土交通省は説明書を読み直し、車との適合、バックル側の長さ、ベルトのねじれ、通し方などを再点検するよう案内しています。兼用タイプではベルトの通し方が複数ある場合もあります。
希望した場所に置けたことだけで完了にせず、指定どおり固定できているところまで確かめて、赤ちゃんを乗せる準備を整えましょう。
チャイルドシートをつける場所のまとめ
この記事のまとめです。
- 取り付け場所は後部座席が基本。車と製品が適合する座席から選ぶ
- 後部左席は歩道側での乗せ降ろしを考えた候補。後部右席も適合すれば候補になる
- 助手席SRSエアバッグ装着車では、後ろ向きのチャイルドシートを助手席に設置しない
- 車側に助手席使用の例外があっても、製品側の禁止事項には従う
- 中央席は座席形状や固定方式、隣席のシートベルトへの影響まで確認する
- 3列シート車は基本的に2列目へ。コンビは6~8人乗りのワゴンタイプについて、2列目の運転席側か助手席側を優先し、難しい場合は3列目の運転席側か助手席側を案内している。取り付け可能かを確認したうえで検討する
- ISOFIXは金具と支持条件、シートベルト固定はベルトやバックルの条件が関わる
- 新生児は後ろ向きが基本。前向きへの変更は各製品の使用条件に従う
- 2台設置は製品ごとに適合を調べ、大人が座る席のベルトも使えるか確かめる
- 購入前は車種別適合表と説明書を照合し、取り付け後はコネクターやベルト、固定状態を点検する









